第4期「成人のための識字教育」経過報告

第4期:2022年度(2022年9月~2023年5月)

第4期は、コンポンチャム州バティエ郡サンダエックコミューン(地域)*内にある、識字率が低い地域を対象に、識字教室を開催することとしました。
*第1-3期までに開講した「トロップコミューン」の隣にある地域

【対象地域】
コンパル村 / タン チュレイ村 / ポ スラン村 / スルン村

【教員数】4名(各村1名ずつ)

 

開講式
〇開催日:2022年8月31日
〇場所:スルン小学校
〇参加者:受講者、識字教員、バティエ郡カンボジア教育・青年・スポーツ省職員、コミューン長、代表村長、JHPスタッフ

授業は、生徒たちの参加しやすい夜に行われるため、授業の際に使用するソーラーランタン*や文具が手渡され、8ヶ月間の識字クラスがスタートしました。
*Panasonic様よりご支援頂いています。

写真左)開講式に集まる受講生の方々           写真右)ソーラーランタンを贈呈

開講式では、コミューン長、村長、教員代表者、JHPスタッフから
これから始まる8か月間の識字クラスに参加する生徒たちへの激励の挨拶や
JHPからの支援に対して感謝の言葉が述べられました。

また、識字クラス開講にあたって、識字教員を対象とした
『教員養成コース』も開講され、受講者1人1人に修了証が手渡されました。


写真)トレーナーより講習を受ける識字教員

写真左)修了証を受け取る各村の識字教員たち     写真右)識字教員とトレーナーの集合写真

各村には上記トレーニングを受けた4名の識字教員が配置され、
各村25名、総勢100名の生徒たち全員が卒業できるよう、ベストを尽くします!

 

9月-1月:識字クラスの様子

新しい4村での識字クラスがスタートしました。

雨季の影響や稲作の時期が重なり、授業に遅れてくる生徒たちもいますが、
先生たちのサポートのおかげもあり、誰一人ドロップアウトすることなく、
仕事と勉強の両立を目指し、コツコツ努力を重ねています。
9-12月の3か月間、しっかりと基礎を学んだことで、読み書き計算がだんだんと早くできるようになってきました。

生徒たちも、クラスの最後に簡単なクイズをしたり、難しい箇所はお互いに助け合いながら意欲的に学んでいます。

 
1月は収穫時期が一段落したことで、識字クラス出席率も70%台から90%台へ
上がり、時間通りに来る生徒が増えてきました。
また、識字クラスを視察した現地コーディネーターからは、学力向上に併せて
自尊心も育ってきている様子が伺えた、との声がありました。

 
第1回目の試験では、当初の予想合格率40-50%を上回り、80%の合格結果が出ています。
月に1度の各村の先生を集めてのミーティングの場では、4月までの残り3か月間で無事に全員が修了できるよう、引き続き、ベストを尽くしていくことを確認しました。

 

閉講式

〇開催日:2023年5月25日
〇場所:
コンポンチャム州バティエ郡サンダエックコミューン ストラン小学校

〇参加者:
バティエ郡教育局代表:チュン・サン氏
トロップコミューン長、各村の村長、スーパーバイザー、アシスタントスーパーバイザー、識字教員、受講生、JHPスタッフ

今回の第4期は、2022年9月から開始後、無事に完了することができ、98名の受講生が修了試験に合格することができました。

修了証を受け取る受講生たち(写真)

◇ 代表生徒のあいさつ
『まず、来賓の方々、JHPの役員の方々にご挨拶を申し上げます。
生徒を代表して感想を述べたいと思います。
JHPの皆さん、私たちの住むサンダエックコミューンの村で識字クラスを開講して下さり、このプログラムに参加させていただき、ありがとうございました。
この8ヶ月間、私たちの知識を向上させ、心をこめて教えてくださった先生方に感謝します。また、私たち全員の安全を保障してくれた地元当局に感謝します。
最後になりましたが、JHPと当局の皆様の努力に感謝します。ありがとうございます。皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます。』

識字クラス関係各局の方からの、識字クラス生徒たちへ向けての挨拶の時間では、生徒たちやスタッフたちの努力を称え、熱いメッセージが送られました。

       

    受講生代表挨拶(写真左)       村長代表挨拶(写真中央)      バスレイ区域教育局代表挨拶(写真右)  

『JHPがこのコミュニティで、非識字者を支援するプロジェクトを実施して下さったことをとても嬉しく思っています。この人道的な行為は、私たちのコミュニティの歴史に記憶され、評価されることでしょう。ご尽力いただいた当局に感謝します。』(村長代表)

『プロジェクト参加者や支援者様、特にJHPは多くの努力をしてくれて、私たちのことを本当に気にかけてくれています。JHPの支援を待っている恵まれない人々がまだ多くいますので、この活動が続いていくよう、全力でサポートしていきたいと思います。ぜひ今後もご支援いただければ幸いです。識字率向上プロジェクトだけでなく、長年にわたって私たちの国を支援してくださっているJHPと日本の支援者の皆さんに改めて感謝いたします。皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます。』(バスレイ区域 教育局 代表)

 
『知識』という新しい一生の宝物を手に入れた生徒たち。
この経験を自信にして、これからもお互いに支え合いながら、学び続けていきます。

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