JHPレポート

カンボジアでは、指導できる教員や教材の不足により、多くの小学校で芸術(音楽・美術)の授業が行われていないのが現状です。
この課題を解決するため、JHPは2016年よりJICA草の根技術協力事業(パートナー型)の委託を受け、カンボジア教育・青年・スポーツ省とともに、初等科芸術教育の普及に取り組んできました。
第1フェーズ(2016年~2022年)での取組みに続き、現在は第2フェーズ(2024年~2027年)として、音楽や美術の授業をカンボジア
全土へ広げていくための人材育成に取り組んでいます。その中心となるのが、「ナショナルトレーナー(指導者養成官)」の育成です。
その一環として実施してきた、日本人専門家監督のもと行われる、新たなナショナルトレーナー候補生の育成研修(全3回)の第2回研修が、2025年8月と9月にシェムリアップ州教員養成校で開催されました。
2025年8月11日から15日にかけて、シェムリアップ教員養成校にて、ナショナルトレーナー候補者7名*を対象とした研修を実施しました。
*プノンペン教員養成大学2名、バッタンバン教員養成大学2名、カンダール教員養成校1名、シェムリアップ教員養成校2名
研修には、音楽教育の専門家である津田正之先生(国立音楽大学教授)と高倉弘光先生(筑波大附属小学校副校長 音楽科教員)をお迎えし、音楽教育の指導方法や授業づくりについてアドバイスを受けました。


研修では、ナショナルトレーナーによるモデル授業と、候補生による模擬授業を中心にプログラムが進められました。
候補生の多くは小学生への音楽授業の経験がほとんどなく、実際の授業を想定した実践は大きな学びの機会となりました。

授業後の振り返りでは、「音楽の基礎知識や演奏スキルに自信がない」といった声も聞かれましたが、一方で、子どもたちが楽しみながら参加できる活動の重要性を実感したという意見も多く、研修を通して授業への理解が深まった様子が見られました。

2025年9月15日から19日には、シェムリアップ教員養成校(PTTC)にて、ナショナルトレーナー候補者5名*を対象とした研修を実施しました。
*バッタンバン教員養成大学2名、カンダール教員養成校1名、シェムリアップ教員養成校2名
日本からは、美術教育の専門家である辻政博先生(元帝京大学教授)と岡田京子先生(東京家政大学教授)をお迎えし、図画工作教育の考え方や授業づくりについてアドバイスを受けました。

研修では、導入方法や児童への声かけなど、実際の授業を想定した内容が取り上げられました。
候補生はナショナルトレーナーによるモデル授業を見学した後、自ら模擬授業を行い、教科書を使った授業の進め方を学びました。
授業後には、日本人専門家からも事例や授業アイデアなど、実際の授業で役立つアドバイスが共有されました。


第2回研修では、候補生たちが実際の授業を想定しながら学ぶ機会となりました。
一方で、授業時の教室配置や教材の準備方法、教材研究の方法など実際の授業を経験することで気づく新たな課題も見えてきました。
今後予定されている第3回研修では、これまでの学びを踏まえ、より実践的な授業づくりと指導力の向上を目指していきます。