JHPレポート

JHPでは、カンボジア・コンポンチャム州において、成人のための識字教育事業を実施することとなりました。
対象となる4つの村で識字クラスを開講し、受講生100名(各クラス25名)が、第5期目の学びをスタートしました。
カンボジアでは、過去の内戦や恐怖政治、長年の貧困などの影響により、就学年齢の時に学校に通うことができず、十分な教育を受けられなかった成人が今も多く存在しています。
文字の読み書きができないことで日常生活での不自由を感じたり、就業機会が制限され、安定した収入を得られず貧困から抜け出せない状況に置かれている人々も多くいます。
さらに10代の若者の中にも、日中は家族の仕事を手伝わなければならず学校に通えない、または小中学校を途中で退学し学びの機会を失ってしまった人たちがいます。
識字クラスにはこうした若者も参加し、主にクメール語の読み書きや算数など、生活に必要な基礎的な学習に取り組んでいます。

第5期は、引き続き、コンポンチャム州バティエ郡サンダエックコミューン(地域)*内にある、識字率が低い地域を対象に、識字教室を開催することとしました。
●2023年度 実施期間:2023年8月~2024年3月
●対象地域:スワイプレイ村/バンティエチャス村/スラーコッコー村①/スラーコッコー村②
●受講生:100名(各村25名ずつ)
●教員:4名(各村1名ずつ)
●開催日:2023年8月1日
●参加者:受講生、各関係当局、コミューン長、村長、教員、JHPスタッフ
JHPにとって第5回目となる識字クラスは、7月に識字教員養成コースを終え、8月1日に開講式を迎えました。
開講式には受講生、各関係当局、コミューン長、村長、教員が出席し、8カ月間のコースを全員で協力しながら全力で取り組むことを誓いました。

写真左)バティエ郡教育局 局長より激励の挨拶 写真右)開講式に集まる受講生の方々
開講式では、コミューン長、村長、教員代表者、JHPスタッフから、これから始まる8か月間の識字クラスに参加する生徒たちへの激励の挨拶やJHPからの支援に対して感謝の言葉が述べられました。
また、識字クラス開講にあたって、識字教員を対象とした『教員養成コース』も開講され、受講者1人1人に修了証が手渡されました。

写真)トレーナーより講習を受ける識字教員

写真左/中央)修了証を受け取る各村の識字教員たち 写真右)識字教員の集合写真
各村には上記トレーニングを受けた4名の識字教員が配置され、各村25名、総勢100名の生徒たち全員が卒業できるよう、
ベストを尽くします!
新しい4村での識字クラスがスタートしました。

稲作の農作業や出稼ぎで、授業に遅れてくる生徒たちもいますが、先生たちのサポートのおかげもあり、仕事と勉強の両立を目指し、コツコツ努力を重ねています。読み書き計算がだんだんと早くできるようになってきました。


「読み」「書き」「計算」を含む修了試験では、25点満点(各部門5点)のテストで、当初の平均「9.33点」を大きく上回る「18.66点」まで伸びました。
●開催日:2024年4月11日
●場所:コンポンチャム州バティエ郡サンダエックコミューン スラーコッコー小学校
今回の第5期は、2023年8月から開始後、無事に完了することができ、89名の受講生が修了試験に合格することができました。

閉講式の様子(写真)
スラーコッコー村の村長は、この識字クラスが村人同士の関係構築の一助になった、と話していました。
村内には普段人々が集い話す場所がなく、特に非識字者の人々は外との繋がりが希薄になりやすい状況でしたが、この識字クラスを通じて、普段話す機会のない人々と年齢を超え繋がることで、生活の質の向上にも繋がっています。
識字クラス関係各局の方からの挨拶の時間では、生徒たちやスタッフたちの努力を称える熱いメッセージや支援者への感謝の言葉が送られました。
閉講式でのバティエ郡政府 代表挨拶
『ここサンダエック地域は内戦時代、戦地となっていたため、とても貧しい地域です。そのため、就学時に学校に通えなかった人が多く、読み、書きができない人が未だたくさんいます。知識、特に読み、書きの能力は大切です。
携帯電話が普及していますが、文字を読めないと使用することができません。JHPには引き続き、当地域を支援していただけたら幸いです。』(オンリー・アン氏)

修了証を受け取る受講生たち(写真)
『知識』という新しい一生の宝物を手に入れた生徒たち。
第5期までの識字クラスを通じて、総勢462名が識字者になりました。
これからもお互いに支え合いながら、学び続けていきます。