JHPレポート

カンボジアでは、過去の内戦や恐怖政治、長年の貧困などの影響により、就学年齢の時に学校へ通えなかった人が今も多くいます。
文字の読み書きができないことで、仕事や日常生活に困難を抱え、十分な収入を得られない人も少なくありません。
JHPが実施する「成人のための識字教育事業」では、そうした方々が再び学ぶ機会を得られるよう、地域の学校で識字クラスを開講しています。
昨年11月にスタートした第7期識字クラスも、開始から6ヵ月が経過しました。
識字クラス開始後、月に1回、現地JHPスタッフが現場を視察しています。
今回は、コンポンチャム州バティエ郡のスローン小学校と郡内で識字教育が行われている教室を訪問し、授業の様子や、学びに向き合う
教員・生徒の声を取材しました。
識字クラスに通う生徒たちの多くは、昼間は仕事や家事に追われています。
農作業、工場勤務、家族の世話――。
そのため授業は、日が暮れた夕方から夜にかけて行われています。
現在は4クラス・約100名が参加し、クメール語や算数を中心に学習しています。
中には、家計を支えるために小学校を途中で辞めざるを得なかった10代の若者もいます。
この日、JHPスタッフは月例ミーティングと3クラスの授業視察を実施。
教員や監督者とともに、生徒の理解度や出席状況、授業の工夫について話し合いました。

今回話を聞いた教員の一人、チェル・スレイニック先生は、普段は副村長として働きながら識字教育に携わっています。

「識字教育はとても大切だから参加しました」と話す先生。
担当クラスには40〜55歳ほどの生徒が多く通っています。
一方で、継続して通うことの難しさもあります。
工場勤務の残業、収穫期の出稼ぎ、家庭の事情――。
さまざまな理由で欠席が増えてしまうことも少なくありません。
そのため先生たちは、
など、一人ひとりが通いやすくなる工夫を続けています。
監督者のニャム・ネット先生も、月に2回授業を見回りながら、教員たちを支えています。
「この4ヵ月で、先生たちは生徒との関係づくりがとても上手になりました。
教科書だけでなく、身近な話題を授業に取り入れる姿も増えています。
その成果もあって、生徒たちも学習スピードが向上し、テストの平均点も上がりました。」
と、教員や生徒たちの成長について話してくれました。

今回、生徒のモーン・チャントールさんにも話を聞くことができました。

チャントールさんは、家族を手伝うため、小学2年生で学校を辞めました。
それでも今、「もう一度学びたい」という思いで識字クラスに通っています。
「授業は楽しいです。以前より文字が読めるようになって、計算もできるようになりました」
そう笑顔で話してくれました。
将来の夢を尋ねると、
「文字を書けるようになって、自分の考えを人に伝えたいです。
それから、自分で計算しながら、お米を売れるようになりたい」
と語ってくれました。
“読み書きができる”ということは、単に勉強ができるようになるだけではありません。
自分に自信を持つこと。
仕事の可能性を広げること。
そして、自分の人生を自分の力で切り拓いていくことにもつながっています。

第7期識字クラスは、来月に修了を予定しています。
課題は少なくありませんが、若い教員たちは、時には自分より年上の生徒たちと真摯に向き合い、お互いに励まし合い教授方法などの情報交換をしながら、より良い授業づくりに励んでいます。
カンボジア人の教員が、自国の人々の「学びたい」という思いを支えている――。
その姿そのものが、この活動の大きな力になっています。
JHPはこれからも、「学びたい」を育み、ともに叶える社会を目指し、現地の皆さんとともに歩みを続けてまいります。
今後とも温かいご支援・ご声援をよろしくお願いいたします。

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