JHPレポート

JHPでは、カンボジア・コンポンチャム州において、成人のための識字教育事業を実施することとなりました。
対象となる4つの村で識字クラスを開講し、受講生100名(各クラス25名)が、第6期目の学びをスタートしました。
カンボジアでは、過去の内戦や恐怖政治、長年の貧困などの影響により、就学年齢の時に学校に通うことができず、十分な教育を受けられなかった成人が今も多く存在しています。
文字の読み書きができないことで日常生活での不自由を感じたり、就業機会が制限され、安定した収入を得られず貧困から抜け出せない状況に置かれている人々も多くいます。
さらに10代の若者の中にも、日中は家族の仕事を手伝わなければならず学校に通えない、または小中学校を途中で退学し学びの機会を失ってしまった人たちがいます。
識字クラスにはこうした若者も参加し、主にクメール語の読み書きや算数など、生活に必要な基礎的な学習に取り組んでいます。

第6期は、引き続き、コンポンチャム州バティエ郡サンダエックコミューン(地域)内にある、識字率が低い地域を対象に、識字教室を開催することとしました。
●2024年度 実施期間:2024年9月~2025年5月
●対象地域:タンチュレイ村/コッコー村/チョームマサオ村①/チョームマサオ村②
●受講生:100名(各村25名ずつ)
●教員:4名(各村1名ずつ)
●開催日:2024年9月2日
●参加者:受講生、各関係当局、コミューン長、村長、教員、JHPスタッフ
JHPにとって第6回目となる識字クラスは、8月に識字教員養成コースを終え、9月2日に開講式を迎えました。
開講式には受講生、各関係当局、コミューン長、村長、教員、JHPスタッフが出席し、8カ月間のコースを全員で協力しながら全力で取り組むことを誓いました。

写真左)開講式に集まる受講生の方々 写真右)教員代表挨拶
開講式では、コミューン長、代表村長、教員代表者、JHPスタッフからこれから始まる8か月間の識字クラスに参加する生徒たちへの激励の挨拶、参加者からJHPの支援に対して感謝の言葉が述べられました。
開講式での教員代表挨拶
『カンボジアは年々発展していますが、未だこの辺りの村には文字の読み書きができない人がたくさんいます。
私は私の周りの人の生活を助けになりたいと思い、識字クラスの教員になることを志願しました。
将来は私の村から文字の読み書きができない人がいなくなり、人々の生活が少しでも豊かになることを望んでいます。
この8カ月間、クラスの指導に一生懸命取り組むことを約束します。サポートしていただいている日本の皆さま、そしてJHPの職員の皆さま、ありがとうございます。』
(ベン・ブロ先生)
また、識字クラス開講にあたって、識字教員を対象とした『教員養成コース』も開講され、受講者1人1人に修了証が手渡されました。

写真)トレーナーより講習を受ける識字教員

写真左)ワークショップも行いました 写真右)修了証を手に、識字教員4名とスーパーバイザー・アシスタントを含む集合写真
各村には上記トレーニングを受けた4名の識字教員が配置され、各村25名、総勢100名(男性13名/女性87名)の生徒たち全員が卒業できるよう、ベストを尽くします!
「もう一度、読み書きを学びたい」
そんな願いを胸に、4つの村で識字クラスがスタートしました。9月に開かれた開講式には、多くの村人が集まり、学びへの新たな一歩を踏み出しました。

クラスは、毎週月曜日から土曜日の午後6時から8時まで。
稲作を終えた夕暮れ時、村人たちは疲れた体に鞭を打ち、文字を覚えるために集まってきます。
教材は、ノンフォーマル教育局から無償で提供された農民向けの教科書4冊。
学びの場は、小学校の教室や先生の家。通いやすさを第一に、それぞれの村の実情に合わせて開講しました。

このクラスには、大人だけでなく、学校の授業についていけず、学びに悩んでいた子どもたちも保護者と共に参加しています。文字を読めるようになりたい――その思いに年齢は関係ありません。

農作業や出稼ぎで遅れてくる受講生もいましたが、誰一人として諦めることはありませんでした。
8カ月間、彼らは毎日少しずつ努力を重ね、着実に読み書きの力を伸ばしてきました。
その成果は、以下のようにスコアにも表れました。

●開催日:2025年5月28日
●場所:コンポンチャム州バティエ郡サンダエックコミューン ストラン小学校
2024年9月に開講した第6期識字クラスは、8カ月の学習期間を経て無事に終了し、100名の受講生が修了試験に合格しました。

閉講式の様子(写真)
学びの成果を称える閉講式では、受講生代表のウォン・シムさんが、クラスでの学びとその後の変化について感謝の言葉を述べてくださいました。
スピーチの一部をご紹介します。

「私の名前はウォン・シムです。家族が貧しく、これまで学校に通うことができませんでした。読み書きができないことで、ずっと自信を持てずにいました。
しかし、この識字クラスに参加してから、私は少しずつ文字を読めるようになり、書けるようになりました。
今では、Facebookを使ってクメール菓子の販売を始め、バッタンバン州だけでなく、他の州からも注文が来るようになりました。おかげさまで収入も増え、家族を支えることができるようになりました。将来的には、もっと事業を広げていきたいと考えています。
ここまで来られたのは、ドン・モォイ先生の丁寧な指導、そしてこの学びの場を作ってくださったJHP、日本の支援者の皆さまのおかげです。心から感謝しています。」

カンボジアの伝統菓子(ノム・カンポーン)を見せてくれるウォン・シムさん
読み書きを学んだことで、自信を取り戻し、生活の可能性を広げたウォン・シムさんのような声が、識字クラスの成果を物語っています。JHPは、今後も「学びをあきらめない」すべての人を応援していきます。

修了証を受け取る受講生たち(写真)
本事業は、日本労働組合総連合会様とウェスレー財団様、個人の皆様からのご支援により実施しています。